プロペシアはＡＧＡ治療に有効な薬ですが、安全に使用するためには、いくつかの重要な注意点を守る必要があります。これらを理解せずに服用すると、思わぬ健康被害やトラブルにつながる可能性もありますので、必ず確認しておきましょう。まず、プロペシアの錠剤は「割ったり、砕いたりしない」でください。錠剤はコーティングされており、有効成分の安定性を保つ役割があります。割ったり砕いたりすると、成分が変質したり、空気中の水分を吸ったりする可能性があります。また、粉末状になった有効成分（フィナステリド）が飛散し、それを吸い込んだり、皮膚から吸収したりするリスクがあります。特に注意が必要なのは、「女性や子供はプロペシアに触れない」ことです。フィナステリドは、男性胎児の生殖器の正常な発育に影響を与える可能性があるため、妊娠中または妊娠の可能性がある女性、授乳中の女性は、絶対にプロペシアを服用してはいけません。また、割れたり砕けたりした錠剤に触れることも避けるべきです。万が一触れてしまった場合は、すぐに石鹸と水で洗い流してください。男性がプロペシアを服用している場合、パートナーの女性が妊娠する可能性も考慮し、取り扱いには十分注意が必要です。次に、「副作用」の可能性についてです。プロペシアの副作用として報告されているものには、性欲減退、勃起機能不全（ＥＤ）、射精障害、精液量減少といった性機能に関するものがあります。頻度は高くありませんが、気になる症状が現れた場合は、すぐに医師に相談してください。その他、肝機能障害や抑うつ気分なども稀に報告されています。服用中は、定期的に医師の診察を受け、体調の変化に注意することが大切です。また、プロペシア服用中は「献血ができない」期間があります。日本赤十字社では、プロペシア（フィナステリド）服用中止後、最低１ヶ月間は献血を控えるよう呼びかけています。これは、輸血を受けた女性や子供への影響を避けるためです。献血をする習慣のある方は注意が必要です。さらに、プロペシアは医師の処方箋が必要な医療用医薬品です。インターネットなどを通じた「個人輸入」は、偽造薬や粗悪品を入手するリスクがあり、健康被害につながる可能性があるため、絶対に避けるべきです。これらの注意点をしっかりと守り、必ず医師の指示のもとで正しく服用することが、安全で効果的なＡＧＡ治療のために不可欠です。