AGA治療を始めたら抜け毛が増えた。これは「初期脱毛」なのか、それとも別の原因による「ただの抜け毛」なのか、不安になる方もいるでしょう。両者を見分けることは、治療を続けるべきか、あるいは別の対策を考えるべきかを判断する上で重要です。いくつかのポイントから、その違いを見極めるヒントを探ってみましょう。まず、「時期」が重要な判断材料です。初期脱毛は、その名の通り、AGA治療薬(特にミノキシジルなど)を開始してから比較的早い時期、多くは2週間後から1ヶ月後くらいに始まり、通常は3ヶ月程度で落ち着く一時的な現象です。もし、治療開始から半年以上経っても抜け毛が多い、あるいは治療を始めていないのに抜け毛が増えている場合は、初期脱毛以外の原因を考える必要があります。次に、「抜け毛の質」にも注目しましょう。初期脱毛で抜ける毛は、主に休止期に入っていた古い毛髪です。そのため、細く短い軟毛だけでなく、ある程度の太さや長さのある毛も混じっていることがあります。一方、AGAが進行している場合の抜け毛は、軟毛化が進んだ細く短い毛の割合が増える傾向があります。ただし、これだけで明確に区別するのは難しいかもしれません。「頭皮の状態」も確認しましょう。初期脱毛自体は、通常、頭皮に異常な症状(強いかゆみ、赤み、湿疹、痛みなど)を伴いません。もし、抜け毛の増加とともに、このような頭皮トラブルが見られる場合は、薬剤が頭皮に合っていない、あるいは脂漏性皮膚炎など他の皮膚疾患を併発している可能性があります。これは初期脱毛とは異なる状態であり、医師の診察が必要です。「他の要因」がないかも考慮します。季節の変わり目、強いストレス、急激なダイエット、体調不良、他の病気や薬の影響などによっても、一時的に抜け毛が増えることがあります。AGA治療開始とこれらの要因が重なっていないか、振り返ってみることも大切です。これらのポイントを総合的に考えても、初期脱毛かどうかの判断が難しい場合や、不安が大きい場合は、自己判断せずに必ず医師に相談することが最も確実です。医師は専門的な知識と経験に基づき、頭皮の状態を診察し、原因を判断してくれます。抜け毛の原因を正しく特定することが、適切な対応への第一歩です。
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