「白髪が多い人は、はげにくい」「いや、むしろ白髪が増えると、はげる前兆だ」巷では、白髪と薄毛(はげ)の関係について、様々な俗説や迷信が囁かれています。実際のところ、これらの噂に医学的な根拠はあるのでしょうか。それとも、単なる迷信なのでしょうか。まず、「白髪が多い人は、はげにくい」という説についてです。これは、白髪が目立つようになると、髪全体のボリュームがあるように錯覚したり、あるいは白髪になるメカニズムと薄毛になるメカニズムが異なると考えられたりすることから生まれた俗説かもしれません。しかし、前述の通り、白髪になることと男性型脱毛症(AGA)になることの間に直接的な関係はありません。白髪が多くてもAGAが進行する人はいますし、逆に黒々とした髪のまま薄毛が進行する人もいます。したがって、この説に医学的な根拠はありません。次に、「白髪が増えると、はげる前兆だ」という逆の説です。これも、加齢という共通の要因によって白髪と薄毛が同時に進行することが多いため、そのような印象を持つ人がいるのかもしれません。また、急激なストレスなどによって一時的に白髪が増え、同時に抜け毛が増えるようなケースもあるため、関連があるように感じられるのかもしれません。しかし、これも白髪自体が薄毛を引き起こす直接の原因ではありません。白髪の増加が、必ずしも薄毛の進行を示すサインとは言えないのです。もう一つ、「白髪を抜くと、さらに白髪が増えたり、髪が生えてこなくなったりする」という噂もあります。白髪を抜いても、その毛穴から次に生えてくる髪が黒くなるわけではありませんし、周りの毛まで白髪になることもありません。ただし、無理に毛を抜く行為は毛根や頭皮にダメージを与え、炎症を引き起こしたり、場合によっては毛が生えてこなくなる「抜毛症」のような状態を招いたりする可能性はあります。したがって、白髪が気になっても抜くのは避けた方が賢明です。これらの俗説や迷信に惑わされず、正しい知識を持つことが重要です。白髪と薄毛は、それぞれ異なる原因を持つ現象であり、直接的な因果関係はありません。もし両方の悩みを抱えている場合は、それぞれの原因に応じた適切なケアや対策を考える必要があります。不安な場合は、専門医に相談することをお勧めします。
- 中年期以降のAGAとその割合
- 自然に見せる増毛剤の使い方テク