「おでこが広い」と感じている男性の中には、「これは将来はげる前兆なのでは？」と不安に思っている方もいるかもしれません。確かにおでこが後退して見えることは薄毛のサインの一つですが、生まれつきおでこが広いことと、後天的に薄毛が進行していることとは、分けて考える必要があります。全ての「おでこが広い人」が「はげる」わけではないのです。まず、おでこの広さや生え際の位置は、骨格や顔のパーツのバランスと同様に、もともとの個人差が大きい部分です。生まれつき額が広い人もいれば、狭い人もいます。子供の頃からおでこが広かった、あるいは親や兄弟もおでこが広いという場合は、それはあなたの個性であり、必ずしも薄毛が進行しているとは限りません。大切なのは、過去の自分と比較して「変化があるかどうか」です。以前よりも明らかに生え際が後退してきた、あるいは前髪のボリュームが減ってきた、と感じる場合は注意が必要です。特に、男性型脱毛症（ＡＧＡ）が原因である場合、生え際の両サイドから後退していく「Ｍ字型」や、全体的に生え際が上がっていくといった特徴的なパターンが見られます。これは、生まれつきの額の広さとは異なる、後天的な変化です。また、髪の質にも注目しましょう。生まれつきおでこが広い場合でも、生え際の髪は太くしっかりしていることが多いです。一方、ＡＧＡなどが進行している場合は、生え際の髪が細く、短く、弱々しい「軟毛」に変わっていく傾向があります。おでこが広いこと自体をコンプレックスに感じる必要はありません。それがあなたの個性であり、魅力の一つとなることもあります。しかし、もしそれが「進行している」と感じるならば、それは薄毛のサインかもしれません。過去との比較、そして髪質の変化という視点から、自分の状態を客観的に見つめ直すことが、不安を解消し、適切な対応を考えるための第一歩となるでしょう。