30代半ばを過ぎ、生え際の後退が気になり始めた私は、意を決してAGAクリニックの門を叩きました。治療として、内服薬(フィナステリド)と外用薬(ミノキシジル5%)の併用を開始することになりました。「これで少しは改善するかもしれない」と期待に胸を膨らませて治療をスタート。毎日欠かさず薬を飲み、朝晩ミノキシジルを頭皮に塗布する生活が始まりました。ところが、治療開始から3週間ほど経った頃、予想外の出来事が起こりました。シャンプー時の抜け毛が、明らかに増えたのです。排水溝に溜まる髪の毛の量が、治療前よりも明らかに多い。枕にも、以前より多くの抜け毛が付着しています。「え?なんで?治療してるのに…」。正直、パニックに近い状態でした。薬が合わないのか?かえって悪化しているんじゃないか?不安で頭がいっぱいになり、インターネットで検索しまくりました。そこで「初期脱毛」という言葉を知ったのです。治療開始後に一時的に抜け毛が増える現象で、むしろ効果が出ているサインかもしれない、と。少し安心しましたが、それでも実際に抜け毛が増え続けるのは精神的に辛いものがありました。毎日、鏡を見るたびにため息。本当にこのまま続けて大丈夫なのだろうか、という疑念が消えません。次の診察日、医師に不安な気持ちを正直にぶつけました。医師は私の話をじっくりと聞いた上で、「初期脱毛はミノキシジルを使っている方にはよく見られる現象ですよ。ヘアサイクルが改善し始めている証拠と考えて、もう少し頑張って続けてみましょう。通常は3ヶ月くらいで落ち着いてきますから」と、 calmly 説明してくれました。その言葉に少し勇気づけられ、とにかく信じて続けることにしました。抜け毛のピークは、治療開始後1ヶ月半から2ヶ月くらいの時期だったと思います。相変わらず抜け毛は多いものの、「これは新しい髪が生えるための準備なんだ」と自分に言い聞かせました。そして、治療開始から3ヶ月が過ぎた頃、ふと気づくと、あれだけ気になっていた抜け毛の量が、明らかに減ってきているではありませんか!排水溝に溜まる毛の量も、枕につく毛の量も、治療開始前よりも少なくなっている。そして、生え際のあたりに、よく見ると短い産毛が生え始めている!あの辛い初期脱毛の時期を乗り越えた先に、確かに効果が現れ始めていたのです。あの時、不安に負けて治療をやめなくて本当に良かった。
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