プロペシア(フィナステリド)は、男性型脱毛症(AGA)に対して医学的に有効性が認められている治療薬ですが、その服用にあたっては、必ず医師の診察と処方、そして指示に従うことが絶対条件となります。なぜ自己判断での服用が危険で、医師との連携が重要なのか、その理由を改めて確認しましょう。まず、プロペシアは「医療用医薬品」であり、医師の処方箋なしに入手することはできません。これは、その効果とともに副作用のリスクがあるため、医師による診断と管理が必要だからです。薄毛の原因が本当にAGAなのか、プロペシアによる治療が適切なのか、そして安全に服用できる健康状態なのかを、医師が診察によって判断する必要があります。自己判断で「自分はAGAだろう」と思い込み、例えばインターネットなどを通じて個人輸入したプロペシア(あるいはそのジェネリック)を服用することは、非常に危険です。第一に、偽造薬や品質の劣る薬を入手してしまうリスクがあります。有効成分が含まれていなかったり、不純物が混入していたりする可能性があり、効果がないばかりか、深刻な健康被害を引き起こす恐れもあります。第二に、副作用のリスク管理ができません。プロペシアには性機能関連や肝機能障害などの副作用の可能性があります。医師の診察なしに服用すると、これらの副作用が起こった場合に適切な対処ができず、症状が悪化してしまう危険性があります。特に持病がある方や、他の薬を服用している方は、相互作用のリスクも考慮しなければなりません。第三に、そもそもAGAではない可能性もあります。薄毛の原因が円形脱毛症や他の疾患であった場合、プロペシアは効果がなく、本来必要な治療を受ける機会を逃してしまうことになります。プロペシアによる治療を開始した後も、医師による定期的な診察は不可欠です。治療効果が出ているか、副作用は起きていないかなどを継続的にチェックし、必要に応じて治療方針を調整していく必要があります。また、治療に関する疑問や不安な点があれば、その都度医師に相談し、アドバイスを受けることが、安心して治療を続けるための鍵となります。プロペシアは、正しく使用すればAGAの進行を抑える有効な手段ですが、その効果と安全性を確保するためには、必ず医師の指示に従い、二人三脚で治療を進めていくことが何よりも大切なのです。