「ハゲ」と一言で言っても、その原因や症状の現れ方は様々です。薄毛や抜け毛に悩む方は多くいますが、自分の状態がどのタイプの脱毛症に当てはまるのかを理解することは、適切な対策を考える上で非常に重要です。脱毛症は、その原因や特徴によっていくつかの種類に分類されます。最もよく知られているのが、男性に多く見られる「男性型脱毛症（ＡＧＡ）」です。これは遺伝的要因と男性ホルモンの影響が大きく関与しており、生え際の後退や頭頂部の薄毛といった特徴的なパターンで進行します。女性にも同様のメカニズムで起こる「女性男性型脱毛症（ＦＡＧＡ）」があります。また、女性に比較的多いとされるのが「びまん性脱毛症」です。これは、特定の部位だけでなく、頭部全体の髪の毛が均等に薄くなるのが特徴で、加齢やホルモンバランスの乱れ、ストレス、栄養不足などが原因として考えられています。突然、コインのような円形や楕円形に髪が抜け落ちるのが「円形脱毛症」です。自己免疫疾患などが関与していると考えられており、１箇所だけでなく複数箇所に現れたり、時には頭部全体や全身の毛に及んだりすることもあります。頭皮環境の悪化が原因となる脱毛症もあります。「脂漏性脱毛症」は、皮脂の過剰分泌と常在菌の増殖による頭皮の炎症（脂漏性皮膚炎）に伴って起こります。フケやかゆみを伴うことが多いのが特徴です。「牽引性脱毛症」は、ポニーテールなど髪を強く引っ張る髪型を長期間続けることで、毛根に負担がかかり、生え際などが薄くなる状態です。さらに、特定の病気（甲状腺疾患など）や栄養障害（鉄欠乏など）、服用している薬剤の副作用、あるいは強いストレスなどが原因で脱毛が起こることもあります。このように、「ハゲ」の原因と種類は多岐にわたります。自分の症状がどのタイプに近いのかを知ることは、適切なケアや治療法を選択するための第一歩となります。自己判断は難しい場合も多いので、気になる場合は専門医に相談することが重要です。