まさか自分が薄毛で悩むことになるなんて、数年前までは想像もしていませんでした。30代後半から、なんとなく髪全体のボリュームが減ってきたな、とは感じていたんです。でも、年齢のせいかな、くらいに軽く考えていました。ところが、40歳を過ぎた頃から、明らかに分け目が広がり、頭頂部の地肌が透けて見えるようになってきたんです。特に、強い光の下や、髪が濡れた時は顕著で、人の視線が気になって仕方なくなりました。色々な育毛シャンプーや美容液を試しましたが、気休めにしかなりません。毎日鏡を見るのが憂鬱で、自信もどんどん失っていくようでした。このままではいけないと思い、意を決して女性の薄毛治療を専門に行っているクリニックのドアを叩きました。診察の結果、やはり女性男性型脱毛症(FAGA)の可能性が高いとのこと。そして、治療の選択肢として提示されたのが、ミノキシジルの外用薬と、スピロノラクトンの内服薬でした。先生は、それぞれの薬の効果や副作用について、とても丁寧に説明してくださいました。副作用については正直不安もありましたが、この悩みを何とかしたいという気持ちの方が強く、両方の治療を始めることにしました。スピロノラクトンは、最初は少ない量からスタート。飲み始めてしばらくは、少しトイレが近くなったかな?と感じるくらいで、特に大きな変化はありませんでした。効果を実感し始めたのは、飲み始めて4ヶ月くらい経った頃でしょうか。シャンプーの時の抜け毛が、明らかに減ってきたんです!以前は指にたくさん絡みついていたのが、明らかに少なくなっている。これは効果が出ているのかも、と嬉しくなりました。そして半年、1年と続けるうちに、美容師さんにも「髪、しっかりしてきましたね」と言われるように。自分でも、髪にハリとコシが出てきて、分け目のあたりが以前よりふんわりしてきたのを感じます。もちろん、若い頃のように完全に戻ったわけではありません。でも、あれだけ悩んでいた薄毛が改善し、人目を気にせず過ごせるようになったことは、私にとって本当に大きな喜びです。治療には費用もかかるし、毎日のケアも必要ですが、あの時勇気を出して治療を始めて本当に良かったと思っています。悩んでいる時間はもったいない。専門家の力を借りることも、大切な選択肢だと思います。