ＡＧＡ（男性型脱毛症）治療において、発毛効果が期待される代表的な外用薬（塗り薬）が「ミノキシジル」です。ドラッグストアなどでも購入できるため、手軽に始めやすい治療法の一つですが、こちらも効果が現れるまでには一定の期間が必要です。ミノキシジルを使い始めてから、いつ頃効果を実感できるのか、その目安と注意点について見ていきましょう。ミノキシジルは、頭皮の毛細血管を拡張させて血行を促進し、毛母細胞を直接活性化させることで、発毛を促し、髪の毛を太く長く成長させる効果があると考えられています。しかし、塗布してすぐに毛がぐんぐん生えてくるわけではありません。ミノキシジルの効果によって、まず休止期にあった毛包が刺激され、成長期へと移行し始めます。そして、新しい髪が毛穴から顔を出し、徐々に成長していくというプロセスを経るため、目に見える変化が現れるまでには時間がかかります。日本皮膚科学会のＡＧＡ診療ガイドラインにおいても、ミノキシジル外用薬の効果判定には、最低でも６ヶ月間の継続使用が必要であるとされています。早い方では３ヶ月から４ヶ月程度で効果を感じ始める場合もありますが、一般的には半年程度の継続が目安となります。効果の現れ方としては、うぶ毛のような細い毛が生え始め、それが徐々に太くしっかりとした毛に成長していく、あるいは既存の細い毛が太くなるといった変化が見られます。ここで注意したいのが、「初期脱毛」と呼ばれる現象です。ミノキシジルを使い始めてから１ヶ月から２ヶ月程度の間に、一時的に抜け毛が増えることがあります。これは、ミノキシジルの効果によってヘアサイクルがリセットされ、休止期にあった古い髪が、新しく生えてくる髪に押し出されるために起こると考えられています。効果が出始めている証拠とも言えるのですが、この段階で驚いて使用を中止してしまう方も少なくありません。初期脱毛は一時的なものであることが多いため、ここで諦めずに使用を継続することが重要です。ミノキシジル外用薬も、内服薬と同様に、効果を維持するためには継続的な使用が必要です。使用を中止すると、再び元の状態に戻ってしまう可能性が高いです。焦らず、根気強く、毎日コツコツと塗布を続けること。それが、ミノキシジルの発毛効果を実感するための鍵となります。