ある朝、洗面台の鏡の前でいつものように髪をセットしていた時のこと。何気なく分け目のあたりを手でかき上げたら、いつもより地肌が多く見えた気がした。「え?気のせいかな…」。もう一度、今度は念入りに分け目を確認してみる。やっぱり、以前よりも分け目の幅が広がり、白い地肌がくっきりと見えている。まるで、そこに一本の道ができてしまったかのようだ。ショックだった。30代後半、仕事も忙しく、自分の見た目にかまけている余裕なんてなかったけれど、さすがにこれは見過ごせない。これが「分け目はげ」というやつか…。その日から、私の憂鬱な日々が始まった。電車に乗れば、前の人の頭頂部ばかり見てしまう。会社の同僚と話していても、相手の視線が自分の分け目にいっているような気がして、落ち着かない。自信がなくなり、人と目を合わせるのも少し怖くなった。なんとかしなければ、と焦る気持ちで、まずは育毛シャンプーを試してみた。少し高価なものを選び、毎日丁寧に洗ってみたが、分け目の状態に変化はない。次に、頭皮マッサージが良いと聞き、毎晩お風呂上がりに揉み込んでみた。気持ちは良いけれど、髪が増える気配はない。そんな時、美容室で担当の美容師さんに、思い切って悩みを打ち明けてみた。「最近、分け目がすごく気になるんです…」と。すると、美容師さんは優しく話を聞いてくれ、いくつかの提案をしてくれた。「まず、いつも同じ場所で分けていると、癖がついてどうしても目立ちやすくなります。分け目を少しずらすか、ジグザグにしてみましょう。それから、トップに少しレイヤーを入れて、根元が立ち上がりやすいようにカットしてみませんか?乾かし方も、根元からしっかり乾かすと違いますよ」と。半信半疑だったが、プロの言うことを信じて、カットとスタイリング方法のレクチャーを受けた。家に帰り、教わった通りにドライヤーで根元を意識して乾かし、分け目を少しずらしてスタイリングしてみると…驚いたことに、あれだけ気になっていた分け目が、以前よりずっと目立たなくなっている!髪型と乾かし方だけで、こんなに印象が変わるなんて。もちろん、薄毛が治ったわけではない。でも、見た目の悩みが軽減されたことで、気持ちがすごく楽になった。それからは、定期的に分け目を変え、正しい乾かし方を続けている。
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