白髪と薄毛(はげ)、どちらも加齢とともに多くの人が経験する髪の悩みですが、その原因はそれぞれ異なります。なぜ白髪になるのか、なぜ髪が薄くなるのか、そのメカニズムを理解することで、より的確な対策を考えることができます。まず「白髪」の原因についてです。髪の色は、毛根にあるメラノサイトという色素細胞が作り出すメラニン色素によって決まります。このメラノサイトの働きが何らかの原因で低下したり、メラノサイト自体が消失したりすると、髪に色をつけることができなくなり、白髪となって生えてきます。白髪になる主な原因としては、「加齢」が挙げられます。年齢とともにメラノサイトの機能は自然に低下していきます。また、「遺伝的要因」も大きく関与しており、若白髪などは遺伝の影響が強いと考えられています。「ストレス」も白髪の原因の一つとされています。強いストレスは血行不良や自律神経の乱れを引き起こし、メラノサイトの働きに悪影響を与える可能性があります。「栄養不足」、特にメラニンの生成に必要なチロシンや、メラノサイトの働きに関わるビタミンB群、銅などが不足することも、白髪の一因となり得ます。その他、甲状腺疾患などの病気や、特定の薬剤の副作用が原因となることもあります。次に「薄毛(はげ)」の原因です。男性の薄毛の最も一般的な原因は「男性型脱毛症(AGA)」です。これは遺伝的要因と男性ホルモン(DHT)の影響により、髪の成長期が短縮され、髪が細く短くなり、最終的に抜け落ちてしまう進行性の脱毛症です。前頭部や頭頂部から薄くなる特徴的なパターンが見られます。AGA以外にも、薄毛の原因は様々です。「円形脱毛症」は自己免疫疾患などが原因で、円形に毛が抜ける病気です。「脂漏性脱毛症」は、頭皮の皮脂過剰と炎症によるものです。また、白髪の原因とも重なりますが、「ストレス」や「栄養不足」、「睡眠不足」といった生活習慣の乱れも、頭皮環境を悪化させ、抜け毛や薄毛を引き起こす要因となります。このように、白髪と薄毛は、それぞれ異なるメカニズムと多様な原因によって引き起こされます。ただし、「加齢」「ストレス」「生活習慣の乱れ」などは、両者に共通して影響を与える可能性がある要因と言えます。自分の悩みがどちらの原因によるものか、あるいは両方の要因が絡んでいるのかを正しく見極めることが、適切なケアや対策の第一歩となります。
- PRP療法自らの力で毛髪再生
- 女性の髪悩み多様な薄毛の要因